UPS(無停電電源装置)の選び方
本記事は貴方様のニーズに合ったUPSの選択仕方について、ご説明します。この記事を通じて、聡明なご判断を出来るでしょう。
本文章の第一部では、UPSとは何か、そして様々な環境においてバックアップ電源を供給するためにUPSがどのように利用されているかについて説明しました。本文では、状況に合ったUPSを選択する方法を詳しく説明します。そのうえで、賢明な決定を下してください。
また本文を始めにあたり、適切な製品を選ぶことの重要性をお伝えします。UPSは、重要な機器を稼働させる際、サービスの継続、住宅の停電防止、さらには医療現場での機器の機能維持を確保します。そのため、環境に合った機器を選ぶことが非常に重要です。
発生する可能性がある電源問題を検討する
まず、どのようなタイプの電源問題が発生する可能性があり、解決しなければならないかを考えます。
以下のような様々な電気系統の問題に直面することがあります。
- 高調波歪み:高調波歪みとは、特定の電源からの電気信号の変動を表す技術用語です。敏感性デバイスを使用しない場合、通常の環境において高調波歪みが重要となることはありません。しかし、そのような機器を使用する場合には、このタイプの保護機能を持つUPSが必要になることがあります
- 周波数変動:電源が不安定な場合に発生するもう一つの問題が周波数変動であり、これは電気機器にとって適正または許容範囲を超えた周波数の振動を意味します。
- 周波数ノイズ:回線上のノイズや物理的な損傷によって発生するラインノイズは、回路の性能に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 過電圧:過電圧とは、回路を通過する電圧が電子製品の要求値よりも高いものの、サージ保護機能を作動させるほどではない場合を指します。
- 瞬間電圧低下:電圧が仕様や構成に応じた最適なレベルよりも短時間で低下することを指します。
- 電力制限:電力制限とは、長時間、電圧が損失する現象です。電力不足のリスクが高い場合、電力会社が意図的に制限をかけることがあります。
- 停電:電力不足や事故、ネットワークの破損などにより、電力会社が電気の供給を継続できなくなった状態を指します
- サージ:サージとは、回路を流れる電気エネルギーが急激に上昇する現象をさします。この現象は、雷雨が原因となることが多く見受けられます。
突然の脅威に応じた適切なタイプのUPSシステムを見つける
直面している電源継続リスクのタイプを確定したら、次のステップはリストの作成です。どのようなUPSを選択するかは、その調査結果によって異なります。
選択すべきUPSのタイプ
UPS機器はいくつかのカテゴリーに分かれています。主なカテゴリーとしては、オフライン、オンライン・インタラクティブ、オンラインがあります。
多くの方々や企業が、停電というと、突然の電力供給の停止をまず考えます。しかし、最適な条件から外れることで、さまざまな電気的異常が発生します。
オフラインシステムは、サージ、停電、電力制限を防ぎ、電力会社の問題やグリッド入力の問題が発生しても、システムへの電力供給を継続することができます。しかし、電圧や周波数の問題を同期させことはできません。
オンラインイン・タラクティブシステムは、オフラインシステムがカバーするすべての電力問題を防止することに加え、過電圧および低電圧の保護を提供します。組織や個人は、機密性の高い機器を保護したり、機械に一定の信頼できる電圧を供給する必要がある場合、オンライン・インタラクティシステムを選択します。
オンラインシステムは、高調波歪み、周波数変動、ラインノイズなど、上記のすべての電気的問題を防ぎます。このタイプのUPSは、電子機器や電気機器に最も純粋な信号を提供し、継続的で信頼性の高い状態を維持することができます。
電源の中にはAPFC(自動力率調整器)を搭載しているものもあり、容量性負荷や誘導性負荷を連続的に監視することができるため、CPUなどの要求に応じて電力を調整することができて便利です。
すべてのUPSユニットがAPFCを搭載しているわけではないため、電源の選択が問題となります。ブロンズ・シルバー・ゴールドの各定格の電源は、DCの要求に応じて、ACからどれだけ効率よくエネルギーを得られるかを示しています。
UPSの電源出力を選択
UPSは無制限にバックアップできるわけではありません。そのため、必要な容量を検討した上で購入することが重要です。
UPS装置は、VA(ボルトアンペア)単位で固定された容量を提供します。このメトリックは、デバイスが提供できる電力量のみを示します。必要な容量を算出するには、機器や機械が必要とする電力量である「負荷」を考慮する必要があります。
負荷の決定は、電気を使用するすべての機器をリストアップし、その合計を計算するだけで簡単です。負荷がわかれば、機器に必要な電力を見積もることができます。
例えば、サーバールームの稼働に2,500Wが必要な場合、2,500W以上の容量のUPSが必要となります。
また、電源を供給するコンピューターやサーバーの全電圧入力を考慮する必要があります。「入力範囲」とは、電源がAC電源から受け入れることのできる電圧のことです。ほとんどのAC110Vの電流は、90V~135Vの入力範囲を必要とします。AC入力が220Vの場合、電圧許容範囲は180V~270Vとなります。
動作時間の選択
UPSシステムはバッテリ電源にも依存しているため、「最小稼働時間」と呼ばれる稼働時間も選択する必要があります。
概念はとてもシンプルです。稼働時間とは、停電後にUPSが機器に電力を供給し続けられる時間のことです。通常、サプライヤーはこの時間を分単位で測定します。例えば、5分、30分、あるいは90分の動作時間を指定することができます。
FSPのFP600は個人的な使用やゲームには十分な稼働時間を提供します。FP800はやや長い稼働時間を提供し、FP1000はさらに長い稼働時間を提供します。商業施設では、FP1500やFP2000などの最大級のデバイスが有効です。
また、停電や電力供給の問題が頻繁に発生する地域で事業を行う場合は、頻繁な停電や長時間の停電が発生した場合に備え、稼働時間が長く、ヘビーデューティーの設備への投資を検討する必要があります。
また、UPSはシステムの「安全なシャットダウン時間」を十分に確保する必要があります。コンピューターやサーバーの即時シャットダウンとは異なり、安全なシャットダウンでは、現在のタスクをメモリーに保存し、サプライヤーが予め決定していた方法でシャットダウンすることで、作業やデータの損失を防ぐことができます。
正弦波に対応している必要性について
電力会社は、交流(正弦波)の形で電力を供給しています。電力会社から電力が供給されている間、UPSシステムはこのモードを機器に伝達します。一方で、電力会社の電力をシミュレートするために、滑らかで連続した正弦波の大まかな近似値であるアナログ正弦波に切り替えることもできます。
敏感性デバイスの場合、正弦波が必要なのか、アナログ正弦波が必要なのかを確認する必要があります。この2つは異なるため、切り替え時に、一部機器が停止したり、電子機器が破損する可能性があります。
FSPがアナログ正弦波を提供する製品として、iFP 600/800やiFP 1000/1500/2000が挙げられます。
結論
理想的には、UPSが負荷、ユーティリティー条件、機能要件を満たしている必要があります。企業によっては、シンプルなUPSユニットで事足りる場合もありますが、より精密な停電保護対策や長時間の稼働が求められる場合もあります。
FSPについて
FSPテクノロジーは、世界最先端の電源メーカー一員です。1993年成立時から、「サービス、プロフェッショナル、イノベーション」の経営理念を持って、全方面でグリーンエネルギーで解決するメーカーです。